第5章

 市警局の取調室。

 白い蛍光灯の下、わたしは天井の隅に漂い、下にいる四人を冷ややかに見下ろしていた。夫の颯斗。「重度のうつ」を患っているという妹の美愛。――そして、血を分けた両親。

 つい一時間前まで、あいつらは屋敷で「重度のうつによる自殺」という筋書きのまま、わたしの死を雑に片づけようとしていた。

 村崎警部は表情一つ変えず机の前に立つと、ノートPCのエンターキーを叩いた。

「話してもらいましょう。あなた方がこっそり消してフォーマットした映像を、こちらがご自宅の監視カメラから強制復元したものです」

 画面が点く。客室の床を映すアングル。

 そこに映っていたのは――床を這いずる...

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