第7章

「瞳!」

 幸雄が追いかけてきた。その声には怒りと、決して手放すまいとする執着が入り混じっていた。

「このまま行かせるわけにはいかない!」

 私は足を止め、腕をきつく掴むその手を見下ろした。

「離して」

 私は短く告げた。

 振り返り、彼の目を見据える。その瞳には怒り、絶望、そして狂気にも似た執念が渦巻いていた。

 前世で、私を崖へと引きずり込んだ時と同じ顔だった。

『彩花は死んだのに、お前は生きている』彼の声が脳裏に蘇る。『瞳、俺たちはあいつに命を一つ借りているんだ』

 彼は私を助手席に縛り付け、アクセルをベタ踏みにして、崖の縁へと車を走らせた。

『さあ、これでやっと借...

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