第4章

「溺れるみたいな感覚」と、私は言った。「抗わなきゃいけないって分かっているのに、体が言うことを聞いてくれないの」

 美咲の視線が、私の太ももから手首にある指の形をした痣へと移り、その上で彼女の指が宙を彷徨った。「嘘でしょ、瑠衣――」

「美化しないでよ」

「誰が美化してるって? 私が言いたいのは、ああいう体育会系の男たちには、自分たちが何をしてるのか全く分かってないってこと。その違い、分かってるでしょ?」

 分かっていた。それが問題なのだ。

「来週末、クラブ『深淵』に連れて行ってくれない?」と彼女は尋ねた。

「そういうのじゃないから」

「じゃあ、どんななの?」

 私は答えなかっ...

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