第43章

「嬉しいのよ。親愛なるボルトさんって、グラントさんのそばにいるときだけ、やっと少し静かになれるのね」

 少女は得意げに言い、ふと思い出したように目を瞬かせた。

「――ノア。まさかそれが理由で、あなた、いつも私に甘いの?」

 勢いよく上体を起こし、彼をにらみつける。

「違うって言って!」

 少年は笑った。

「違う」

「ならいいわ」

 少女はまた寝転がった。

 今度は彼の膝の上ではない。彼の横に身を投げ、ノアにも一緒に寝るようせがむ。

 少年は言われるまま、草の上に体を預けた。

 背中に広がるのは、青い草のほろ苦い匂いと、土の湿った甘さ。

 小沢かなは寝返りを打ち、横向き...

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