第51章

階下がどっとざわめいた。

「まあ、グラントさん、かわいそう。ニール王子にまで捨てられたんですって」

「見て、顔色が真っ青。あそこに突っ立って……毛を刈られたばかりの子羊みたい。どうしようもなく頼りないわ」

金髪の少女は、怯えたように大広間の中央を見やった。

銀髪の少年は女神の恩寵を受けた者たちに取り囲まれていた。けれど、湖のように澄んだ緑の瞳だけは、人垣を越えて彼女をまっすぐ捉えている。口を開きかけた、その瞬間――少女はひくりと喉を鳴らし、傷ついた小獣のように駆け去った。

「ボルトさん!」

「ボルトさん!」

「ボルトさん!」

少年は黙り込んだ。

いつもと変わらない、静かな表...

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