第85章

「エステル……」

「ボルトさん。これからはグラントさんと呼んでください。エステルは、親しい人だけが呼べる名前です。光の神に誓います。わたし、エステル・グラントは――未来の星の騎士を、闇の手段で汚したりしません」

 けれど、その正論めいた反駁が場の空気を揺らすことはなかった。

 ノアは彼女を見据えたまま、淡々と言う。

「噓を暴くの術」

 白い光が、彼女をすっぽりと包み込んだ。

「グラントさん。続けてください」

 小沢かなは、まるで「停止」のスイッチを押されたみたいに口をつぐむ。

 空間が、死んだように静まり返った。

 次の瞬間、喉の奥で転がすような、ぞっとする笑いが響く。

...

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