第86章

小沢かな――……本当に気絶しているのか、疑わしくなってきた。

「このまま待っていても仕方ありません、ボルトさん。ここは安全そうですし、わたし、外を見てきます……」そう言って、彼女は様子をうかがう。「遠くへは行きません。少しだけ。もしかしたら、誰かが探しに来ているかもしれない」

「まだ……一日しか……」

「一日? ボルトさん、どうしてわかるんですか?」

少年が、重たいまぶたを持ち上げる。

「……出るな」

それだけ口にするのに、全身の力を使い果たしたみたいだった。小沢かなが近づくと、短い時間のあいだにまた汗が噴き出している。まるで蒸し風呂に放り込まれたように、身体全体が熱を帯びていた...

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