第94章

灰色の斑雀が一羽、身を低くしてケージの中をうろうろしていた。

玄関のほうで足音がした途端、くるりとひっくり返る。翼をだらんと広げ、腹を天井に向けて――いかにも「死んでます」と言わんばかりの姿勢。

「ココ?」

扉の向こうから、細くてやわらかな女の声。続いて、靴底が床を叩く規則正しい音が近づいてくる。

ココは慌てて目を閉じた。足音がすぐ脇まで来て、ぴたりと止まる。

……静かだ。

物音ひとつしない。

そっと片目だけ、薄く開ける――

「ふふ、捕まえた」

小沢かなが、ケージの前に立っていた。にこりと笑いかけてくる。

ココは――

顔が、かあっと熱くなった。

「コ!」

凶悪そうに...

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