第129章 食べたいけど言いづらい?

水島三久が茶を持って戻ってくると、小川文美の笑顔がどこか妙に引っかかった。胸の奥が、すうっと冷える。

――まさか、私がいない間に天野真司に何か吹き込んだんじゃ……?

そう思った瞬間、嫌な予感が背中を這った。

……よし。今日からは、もっと用心しよう。

幸い、注文して間もなく料理が運ばれてきた。

水島三久は内心ほっと息をつき、黙々と食べることに決める。余計なことは言わない。触れない。巻き込まれない。

……はずだった。

「君……エビ、食べる?」

天野真司がぽつりと口にした。視線は、水島三久のいちばん近くにあるエビの皿へ。

さっきの小川文美の言葉が脳裏をよぎったのか、彼の黒い瞳がわ...

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