第186章 どれだけ顔に弱いの

彼女の小さな指先が、ひやりと冷たいまま彼の腰の脇に触れた。

それだけで背中一面にぶわっと鳥肌が立ち、頭皮までじん、と痺れていく。

胸の底で、欲が波のように押し寄せる。

――水島三久は記憶を失っている。なら、彼女が自分の身体に惹かれている隙につけ込んで、今ここで抱いてしまってもいいんじゃないか。

そんな下劣な考えが、喉の奥にまでせり上がった。

欲に押されるまま、天野真司の鼻先が彼女の首筋へ擦り寄る。

火花を含んだ唇が白い肌に落ち、点いた火は、ひとつ、またひとつと熱を増していった。

彼の積極性に、水島三久も何かを察したのだろう。

知らない感覚に本能がざわつき、落ち着かない。何かし...

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