第20章 腕の見せどころだ

水島三久が手にしていた小さなスプーンが、ぴたりと止まった。顔を上げた瞬間、食卓にいる全員の視線が、まっすぐ自分へ突き刺さっているのがわかる。

「わ、私……」

白黒のはっきりした瞳が、反射的に天野真司へ向いた。

今朝の出来事が脳裏をよぎり、スプーンをもう一度お椀に落として、くるくるとかき混ぜる。

――そろそろ、仕事をしないと。

恩を返す前に「はい、用済み」と追い出されるとか、さすがに笑えない。

口を開こうとした、そのとき。

執事が心電図モニターのような機械を抱えてやって来て、テーブルの上にそっと置いた。

しかも、その後ろには四十代か五十代くらいの中年男性までついてくる。

天野...

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