第204章 言った方がいい

それに、この話は水島三久の前では口にできない。

池田守は彼に長年付き従ってきた。こういう「察し合い」くらい、二人の間には当然ある。

天野真司は手にしていたメモを机に置き、水島三久の肩を軽くぽん、と叩いた。

「先に隣の休憩室で待ってて。仕事を片づけたら、すぐ行く」

「うん」

水島三久は素直に頷き、迷いもなく執務室を出ていった。

あそこまで信頼されている――そう思った途端、天野真司の眉間は逆に深く寄った。

彼は横の池田守へ視線を投げる。不機嫌がそのまま形になって、相手に刺さる。

池田守はぞくりと肩をすくめ、慌ててポケットからスマホを取り出して机上へ差し出した。

「若様。こちら、...

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