第207章 反則だった

「耳、舐めてほしいの?」

天野真司は、いろいろと反則だった。

もともとこの手の経験が豊富なわけでもないのに、あんなふうに煽られたら、逆にどうしていいのか分からなくなる。

水島三久は天野真司の腕の中で、全身がかちこちに固まっていた。しばらく、指一本動かせない。

これじゃ腹筋に触れるどころじゃない。息をするのさえ、強くできなかった。

天野真司はふっと首を傾げる。もともと整った目元に、ようやく酔いの色が滲んだ。

彼はゆっくりと彼女の白い首筋へ顔を寄せ、傷のところを、ちろりと一度だけ舐めた。名残惜しそうに、囁く。

「三久、もっと聞きたい……」

掠れた声が耳元に落ちた瞬間、びり、と電気...

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