第208章 いったいどう考えているのか

水島三久は水を注いでいた小さな手をぴたりと止め、黙ってコップを手に取ると、くすりと笑った。

「昨日、ちょっと寝るのが遅くて」

「うん。俺、昨夜けっこう飲みすぎたって聞いた。昨日は世話かけたな。そりゃ寝てていい」

天野真司のその一言に、水島三久は口元まで運んだ水を吹きそうになった。

驚いて振り返り、天野真司をまじまじと見上げる。上から下まで、どこか確かめるように視線を走らせた。

――今の天野真司、いつもの天野真司だ。

そのせいで、ふっと錯覚する。

(……忘れてる? 昨日のこと)

でも、考えてみれば自分も、酒を少しでも飲むとすぐ記憶が飛ぶ。天野真司だって同じ体質なのかもしれない。...

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