第221章 昨夜の薬まだ残っているのか?

指先を無意識に擦ってしまい、天野真司ははっと我に返った。自分の考えに、自分で背筋が冷える。

――昨夜の薬が、まだ残っているのか?

苛立ちまぎれにこめかみを押さえると、ちょうど水島三久の心配そうな視線が目に入った。

あまりにもまっすぐで、疑うことを知らない目。その純粋さが、真司の胸をちくりと刺す。

……俺はいま、何を考えてる。

こんなの、獣と何が違う。

真司は目を伏せ、声の温度を落とした。

「もういい。先に部屋へ戻れ。俺はまだ仕事が残ってる」

衝動を押し殺すように、ソファから立ち上がる。座ったままでは、距離が近すぎる。

これ以上、三久に近づいたら――自分がどこまで壊れるか分か...

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