第222章 気のせいかな

「えっ? あれって、三久の上司じゃない?!」

小川文美は目をぱちんと見開いた。まさか今回の研究会に、あの人まで顔を出すなんて。

――ってことは、三久の上司って……T市の大物?

「上司」という言葉に、水島三久は反射的に視線を向けた。

案の定、そこにいたのは天野真司だった。

数日ぶり。見た目はほとんど変わっていない……はずなのに。

(気のせいかな)

三久は、彼が少し痩せたように見えてしまった。

(会いたいって思いすぎてるだけ……だよね)

でも、こうして姿を見られただけでも、来た甲斐はあった。

ただ、天野は学長らしき人物と何か話し込んでいて、こちらに目を向ける気配はない。

三...

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