第223章 まずは若奥様に会う

学長はその言葉を聞いて、ようやく胸の奥でそっと息をついた。続けて、探るように口を開く。

「ちょ……ちょうど今日の研究会、最後に奨学金の授与もありますし……せっかくなら、貢献賞をいくつか追加しませんか? さっきの女の子も、ちょうど中に――」

天野真司が潔癖で、人と触れ合わないこと。宴席にもほとんど顔を出さないこと。

学長はそれを知っている。

それでも、さっき天野真司はあの少女を、ずいぶん長く見ていた。

興味があるのかもしれない――そう踏んで、思い切って試したのだ。

天野真司は黒い瞳を伏せ、学長を一瞥する。ふっと、笑った。

「いい。好きにしろ」

「はいはいはい! 天野社長、ご安心...

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