第226章 もうそんなに長く離れないで……

掌の下の肌はひやりと冷たかった。天野真司は無意識にそっと擦り、低い声で言う。

「……これからは、そんな短い上着で外に出るな」

声のトーンは変わらない。まるで耳元を噛むように、近い。

水島三久は真司の肩に頬を預けたまま、彼の表情が見えない。小さく口を開き、これはわざとじゃないと説明しかけて――やめた。

ため息をひとつ、胸の奥で飲み込む。

「わかりました、天野さん」

「それから」

真司はゆっくりと三久を離し、続ける。

「……他の男の服も、着るな」

三久の身にまとったTシャツへ、視線が二、三度落ちる。今にも引き裂きそうな、危うい目つき。

水島三久は目をこすった。見間違い……?

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