第236章 妻の言うことを聞くのが好きなんだ

天野真司は片手をひらりと振った。

「いい。彼女は天野家に来た以上、簡単に追い返せる相手じゃない」

どうせ最後には顔を合わせることになる。なら最初から会ってしまったほうが早い。

池田守は天野真司の意思が固いと悟り、しぶしぶ頷いた。

ほどなくして、藤井愛奈が天野真司の執務室へ通された。

扉を開けた瞬間も、天野真司は書類に目を落としたまま、淡々とペンを走らせている。

藤井愛奈は昂ぶりを抑えきれず、頬がうっすら赤い。

祖父から「天野真司の同伴者にする」と聞かされた時は、正直不安もあった。

それが、本当に現実になったのだ。

「真司。今日は発表会の進行について相談に来ました。もっと上手...

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