第231章 頭を下げて詫びるつもりか?

「ヴォールさんの絵が好きになったの?」

そばに正座していたフィリスが、ぱっと目を輝かせて水島三久を見上げた。

言い終えるより早く、また頭に扇子がぺしん、と落ちる。

水島三久はにこやかに――けれど歯を食いしばったまま――フィリスに向かって「黙れ」と告げたのが、ほとんど全員に見て取れた。

それでもフィリスは聞こえなかったみたいに、全身きらきらさせて彼女を見つめ続ける。骨をもらった犬みたいに、尻尾でも振り出しそうな勢いだ。

傍らで侍女に化けている流奈ですら、さすがに見ていられなかった。

この変態、前に出した条件が「水島三久に皆の前で扇子で叩かれること」だったのだ。

あの恍惚とした顔を...

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