第234章 見たのとはまったく別の姿

一瞬にして、皆の視線が大広間の入口へ吸い寄せられた。

そこへ入ってきたのは、全身に殺気をまとった男――。

金髪に、澄んだ蒼い瞳。ひと目で分かる。フィリス様だ。

どうして天野家に?

しかも彼の背後には護衛らしき男たちが数名。対するように、天野家が雇った警護が前に出ている。相手がただ者ではないと察したのか、警護側も迂闊に動けず、張り詰めた空気だけが膨らんでいった。

天野真司がゆっくりと立ち上がる。眉間に警戒を滲ませ、フィリスを見据えた。

「フィリス様……どうしてこちらに?」

発表会のときから、あの男はずっと自分を見ていた気がする。

視線が妙だった。まるで、興味をそそられる物でも見...

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