第26章 少しわがままでも構わない

この感覚は、彼にとってあまりにも未知だった。

最後にこんな距離で女に近づいたのが、いつだったかすら思い出せない。

水島三久に出会う以前、彼ができたのは女性と形式的に握手する程度。しかも3秒が限界だった。

その一線を越えた途端、吐き気が込み上げ、えづき、息が詰まる。まるで重度のアレルギー反応だ。放っておけばショックを起こして倒れてもおかしくない。

一時は、自分は女性が駄目になる病気――いわゆる「女嫌い」なのだと思い込んだ。

それが、水島三久が現れてからはどうだ。

触れられても平気。むしろ、拒むどころか……少し、好きだとすら思ってしまう。

天野真司は眉根を寄せ、改めて水島三久へ視線...

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