第41章 さっき……全部見てたの?

池田守は藤井愛奈を一瞥し、簡潔に告げた。

「まずは一番基本の接触から。そこから段階的に深めていきましょう」

若様が今、ただ女性への反応が弱まっているだけなら――この機会に、どこまで下がったのか試せる。

藤井愛奈は深く息を吸い、黙って頷いた。

前回と同じように、天野真司が袖口をゆっくり引き上げ、手首を示す。触れろ、という合図。

ところが藤井愛奈は、その意図に気づかないふりでもしたのか。

彼の手首ではなく――大きな手を、そのまま握り込んだ。

……平気、なのか?

池田守の胸が跳ねた。喜びかけた、その瞬間。

赤い斑点が、天野真司の腕にぶわっと広がった。

真司は反射的に手を離したが...

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