第45章 絶好のチャンス

空はますます闇を深めていった。

「天野おじいちゃん、私ね、前にY国にいた頃からずっと思ってたの。いつか絶対、おじいちゃんにY国の手煎りコーヒーを淹れてあげたいって。豆の香りがほんとに良くて、しかも手に入りにくいの。国内じゃ滅多に買えないんだよ……」

藤井愛奈の話を聞きながら、天野おじい様はふぁ、とあくびを漏らし、彼女が淹れたコーヒーに目を落とした。――正直、まるで興味が湧かない。

会ってからずっと、Y国での暮らしがどうだの、国内とは何が違うだの、そんな話ばかりだ。

天野おじい様にとっては、まるで魅力のない話題だった。

そのうえ愛奈は、今度はデザイン業界のあれこれを語り出した。天野お...

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