第59章 驚かないのか?

天野真司は奥行きのある眼差しで、静かに水島三久を見つめていた。彼女が本当に理解したのか、それともまた別の方向へ受け取ったのか――判別がつかない。

見られ続けるのが居心地悪いのか、水島三久は俯いたまま、むすっとパンをつつく。

ふいに顔を上げて、天野真司を見た。

「天野さん、今日の夜……たぶん帰りが遅くなります。友だちと外でご飯食べるので」

流奈が「サプライズがある」なんて言っていた。きっと、思い切り食べさせる気だ。

だからこそ、先に天野真司へ報告しておくのが無難だった。

「飯はいい。酒は飲むな」

淡々とした声。それなのに、有無を言わせない圧がある。

水島三久はぶんぶん頷いた。

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