第66章 まさか見惚れていた

ほどなくして、会議室で待っていた久保友也のスマホが震えた。

画面を開き、そこに並ぶ数字を見た瞬間、彼の口元がゆるやかに吊り上がる。

――その数字を訳すと、こういう意味になる。

『もうすぐ会える』

久保友也はぱちりと一度だけ瞬きをし、スマホを伏せて窓の外へ視線を投げた。差し込む陽射しはやけに眩しく、目の奥がちくりと痛む。

水島三久の、あの生命力に満ちた顔を――彼はもう、長いこと見ていない。

今回、帰国した理由はひとつだけ。

彼女の視界の届く場所で、生きること。

あの日、彼女に引き上げられた瞬間から決めていた。彼女こそ、自分がこの先ずっと従うべき人だと。

かつての自分は確かに弱...

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