第67章 さすが義姉さん

アシスタントがコーヒーの用意を整えた頃、水島三久のほうが先に動いた。すっと歩み寄り、カップを受け取る。

「コーヒーは私が運ぶ。あなたは契約書を持ってきて。ついでに一緒に届けよう」

「えっ……」

「ほら、早く。ぐずぐずしない」

アシスタントは二秒ほど迷ってから、きっぱりとうなずいた。

――もう、神様が来たってこの契約はまとまらないだろう。

久保友也のマネージャーの要求は、さすがに度が過ぎている。万展や千耀だって首を縦に振らないはずだ。

アシスタントは小さく息を吐き、黙って先を歩いた。二人はほどなく会議室へ入る。

全員の意識は契約書に張り付いている。水島三久がコーヒーを手に入って...

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