第81章 一言で済む礼じゃない

流奈は電話の向こうで今にも跳ねて飛び出してきそうな勢いだった。前に水島三久が天野安を片づけに行ったとき、彼女は連れていってもらえなかった。だから今度こそ、何があっても同行するつもりらしい。

水島三久は最初、断ろうとした。けれど当日、本当に流奈の手が必要になる可能性もある。何度も考え直した末、結局うなずいた。

「いいわ。今回の任務は、私の指示に従って」

「問題なし!」

「……」

まだ何か言い足そうとした、そのとき。

部屋のドアが外からコンコンと叩かれた。

三久は眉を寄せ、声を落とす。

「切るね」

そう言って立ち上がり、ドアへ向かった。

天野真司なら、ノックなんてせずにさっさ...

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