第95章 逃げ道を与える

水島三久は近藤志緒をちらりと見て、それから小川文美にも視線をやり、観念したようにこくりとうなずいた。

「うん。飲み物、飲む」

「……」

市川悠介は数秒、真剣に水島三久を見つめたかと思うと、堪えきれなかったようにくすっと笑った。

腕を組み、どこか甘やかすような口調で言う。

「よし。あとで買ってやる。ただスポンサーがもうすぐ来るんだ。ちょうどこっちに寄るってさ。少しだけ待っててくれ」

「はい! 先輩の言うとおりにします!」

「うん、絶対待つ!」

「……」

水島三久は左右のテンションの差に、はぁ、と小さく息を吐いた。

この状況、いつまで続くんだろ。

「コンコンコン!」

その...

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