第4章

そうして、また一年が過ぎた。

大学三年生の時、キャンパスの保健センターで、医師は心配そうな顔で私を見つめた。「この薬には副作用があるんですよ。本当に飲み続けますか?」

「昔から生理が不順で」私は手の中にあるピルを見つめ、力なく笑った。「これを飲むと、周期が安定するんです」

「ですが……」医師は眉をひそめた。「周期を整えるだけなら、もっと穏やかな薬もありますよ」

「私に選択肢はないんです」私はその言葉を繰り返した。声には絶望の色がにじんでいた。

そう、私に選択肢など微塵もなかった。悠真とこの恥ずべき関係を続けて、もう二年になる。昼間、彼は私の冷たい後見人であり、夜になると、私のアパートに忍び込んでは、最も原始的なやり方で私の身体を貪るのだ。

ピルを飲むたびに襲ってくる吐き気と頭痛、ますます衰弱していく身体――そのすべてに、私は沈黙のうちに耐えていた。計画外の妊娠が、さらに残酷な現実を招くだけだとわかっていたから。

アパートに戻り、鏡の中の自分を見る。目の下には隈が張り付き、顔色は青白く、身体は痩せこけていた。

どうしてこんなことになってしまったんだろう。

けれど、夜が更け、ドアの外からあの聞き慣れた足音が聞こえると、それでも心臓は狂ったように高鳴ってしまうのだ。

こんな自分が憎かった。

彼のことが憎い。でも、彼がいない自分はもっと憎い。

その夜遅く、すべてが静まり返った頃、私は日記にこう書いた。「ここから去らなければ」。

時間はあっという間に過ぎ、気づけば大学四年生の春になっていた。美術史の授業の後、廊下で教授と卒業論文について話していた。

「君の着眼点はとてもユニークだ」教授の目は熱意に輝いていた。「もっと深く研究すれば、大学院への進学も十分に狙える。推薦状も書いてあげられるが……」

突然、教授の言葉が途切れた。

その視線を追うと、廊下の突き当たりに悠真が立っていた。鷹のように鋭い、白銀色の瞳がこちらを射抜いている。

教授の表情は一瞬で変わった。「わ、私は急用を思い出した。また今度にしよう」。彼は慌ててその場を去っていった。

私は後を追った。「教授!」

しかし、彼はもう角を曲がって見えなくなっていた。

私の学業の未来まで、支配されなければならないの?

怒りに燃えながら振り返り、悠真の方へ歩み寄った。一歩一歩が刃の上を歩くようだったが、もはやどうでもよかった。

「何をしたの?」私は歯を食いしばって問い詰めた。

「下心のある人間に利用されないよう、君を守っているだけだ」悠真は平然と答えた。「あの教授の君に対する興味は、純粋なものではない」

「あなたは私のすべてを壊した!」私はもう自分を抑えきれず、涙が頬を伝った。「学業も、友情も、未来も! あなたが私の人生を台無しにしたのよ!」

「私は君に最高のものを与えてきた」悠真の声は、揺るぎない事実を述べるかのように冷静だった。「最高の学校、最高の生活。これ以上、何を望む?」

「自由が欲しい!」私の叫び声が、誰もいない廊下に響き渡った。

自由が欲しい!

悠真の瞳に何かが一瞬よぎったが、すぐに冷たさに戻った。「自由? お前にはまだ、本当の自由が何かなんて分かりはしない」

「もう子供じゃない!」私は震えた。「私は二十二歳よ! 自分の人生を選ぶ権利がある!」

「そうか?」悠真は一歩近づき、危険なほど低い声で言った。「なら、今夜は俺を待つな」

そう言い捨てると、彼は背を向けて歩き去った。がらんとした廊下に、私だけが取り残される。

重い足取りで寮に戻り、夜遅くベッドに横たわりながら、じっと天井を見つめていた。気にするな、期待するなと自分に言い聞かせるのに、廊下に足音が響くたび、心臓がどきりと跳ねる。

一時間……二時間……三時間……。

彼は来なかった。

寝返りを打ち、眠れない夜を過ごした。胸の上を巨石で押さえつけられているようで、息が苦しい。哀れな馬鹿みたいに、何度も携帯をチェックし、ドアの外の物音に耳を澄ませていた。

夜が明ける頃になって、私は恐ろしい事実に気づかされた。

もう、彼なしでは生きていけない。

彼を憎んでいても、彼に支配されていても、自由を失っていても……それでも私は彼の気を引きたいのだ。たとえその愛が、どれほど歪で病的なものであっても、「愛されている」という感覚が必要だった。

私は、本当に中毒になっていた……。

日記帳を取り出し、震える手で最後の一行を書き記した。

神様、どうか私を救ってください。


翌朝、私は桜原大学の図書館で、分厚い美術史の資料を抱えてよろめいていた。まるで歩く屍のように、日々の学業を機械的にこなしている。

朝、目が覚めた時、鏡を見ることさえためらわれた。自分の顔が死人のように青白く、何日も眠れていないことを示す隈がくっきりと刻まれているのがわかっていたからだ。

昨夜の絶望がまだ胸の中で渦巻いており、「中毒」になっているという自己認識は、私を吐き気と恐怖で満たしていた。薬の副作用と精神的な拷問が重なり、私の手は制御不能に震え始めた。

「くそっ……」

足元がふらつき、重い『ヨーロッパ中世美術史』がガシャンという大きな音を立てて床に散らばった。勉強していた数人の学生が、迷惑そうな目で私を見上げた。

私はしゃがみこみ、必死に散らばった本を集めようとしたが、手の震えが止まらない。昨夜の「どうか私を救ってください」という言葉がまだ頭の中で響いており、神は本当に私の懇願を聞いてくれるのだろうかと考え始めていた。

「大丈夫?」

優しい男性の声が頭上からした。顔を上げると、日に焼けた健康的なラテン系の少年が私の前にしゃがみこんでおり、その温かいブラウンの瞳は心配の色に満ちていた。少し癖のある黒髪が陽光を浴びて健康的に輝き、彼からは爽やかな柑橘系の香りがした。

あの絶望的な祈りを書き記して以来、下心のない純粋な心配の言葉をかけられたのは、これが初めてだった。

もしかして……もしかして、神様は本当に私の呼びかけを聞いてくれたのかもしれない?

「どうして……どうして私を助けてくれるの?」私は警戒しながら、無意識に後ずさった。

少年は驚いたような顔をしたが、すぐに微笑み、魅力的なえくぼを見せた。「だって、君は助けを必要としているから。他に理由がいるかい?」

その言葉は、雷のように私の心を撃ち抜いた。この三年間、私の周りにいる人々の助けにはすべて悠真の影がちらつき、明確な目的と利害の交換が伴っていた。しかし、この見知らぬ人の笑顔は、朝の陽光のように一点の曇りもなかった。

「僕は霧谷亮。コンピューターサイエンス専攻だ。君は?」彼は自己紹介しながら、私が本を集めるのを手伝ってくれた。

「由香里……神谷です」私はためらいながら名前を告げた。

「よろしく、由香里」亮は最後の本を私に手渡した。「疲れてるみたいだね。何か手伝おうか? つまり、本当に助けが必要なら、ってこと。ただの社交辞令じゃなくて」

その瞬間、私は泣きそうになった。

翌日、亮は再び図書館に現れた。彼は私にペンを差し出した。「昨日、これを落としてたよ」

それが私のペンではないことはわかっていた。でも、彼の優しい嘘は、私がそれを暴くにはあまりにも優しすぎた。

「一緒に座らない?」彼の誘いには、何の圧力も感じられなかった。

こうして、私たちの静かな付き合いが始まった。三日目、彼はコーヒーを持ってきた――ラテ、砂糖なし。

「どうして私の好みがわかったの?」私は驚いて尋ねた。

「観察だよ」亮は肩をすくめた。「君はいつもコーヒーショップの前を通る時、ラテの広告を見てるけど、買ったことはない。それに、いつも午後三時になると居眠りを始めるからね」

注意深く観察されているという感覚は、私を温かい気持ちにさせると同時に、パニックに陥らせた。この三年間、悠真の病的な関心を除いて、誰も私のことを本当に「見て」くれてはいなかったから。

「どうしてそんなに親切にしてくれるの?」

亮は真剣な眼差しで私を見た。「君が寂しそうに見えるから。寂しい人は、優しくされるべきなんだ」

一週間後、亮は自分の人生について話し始めた。ロサンゼルスにいるラテン系の家族のこと、お母さんが作るメキシコ風のコーントルティーヤのこと、お父さんが車を修理しながら口ずさむ鼻歌のこと。

「もしよかったら、僕の家族の温かさを君に分けてあげるよ」彼の声は羽のように柔らかかった。「温かさは伝わるものだって、母さんがいつも言ってるんだ」

二週間後、亮は手作りのサンドイッチを持ってきた。「母さんの秘伝のレシピなんだ。どんな傷ついた魂も癒せるって言ってる」

一口食べると、突然涙が溢れ出した。誰かが私のために手料理を作ってくれるなんて、あまりにも久しぶりで、食べ物に愛情が込められていることさえ忘れかけていた。

「美味しくない?」亮は心配そうに尋ねた。

「ううん……美味しい。ただ……ありがとう」

その夜、いつものように悠真がやって来た時、私は初めて強い抵抗を感じた。彼に触れられると、亮の温かい笑顔が思い浮かび、それと比べると悠真の所有はひどく冷たく感じられた。

三週間後、亮は私をキャンパスのアート展に誘った。「もし気が変わったら、美術棟の一階で待ってるから」

私は美術棟の入り口で、引き裂かれるような感情に揺れていた。近くに亮介の車が停まり、監視しているのはわかっていた。それでも、不安そうに周りを見回す亮の姿を見た時、私はその一歩を踏み出してしまった。

その午後、私は初めて普通のキャンパスライフを経験した。一緒に絵を見て、一緒にアートについて語り合った。

「知ってる?」亮は一枚の風景画を指差した。「アートの一番美しいところは、人に悩みを忘れさせてくれることだと思う。今みたいに――君が笑っているのを見てる。それが、僕が見た中で一番美しいアート作品だよ」

私の顔は一瞬で赤くなった。認められ、褒められるこの感覚は、悠真の所有とは全く違う。亮は私を、愛される価値のある人間だと感じさせてくれた。収集品ではなく。

その夜、悠真の詰問に直面した時、私は初めて恐怖ではなく怒りを感じた。

「どこへ行っていた?」

「大学のアート展よ」

「誰と?」

「友達と」

なぜなら、私はようやく友情とは何か、温かさとは何か、普通の思いやりとは何かを理解したからだ。

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