第5章

三ヶ月後、キャンパスカフェは雑談と笑い声で賑わっていた。

突然、亮が私の目の前で片膝をつき、ヒマワリの花束を差し出した。カフェ全体が一瞬で静まり返り、すべての視線が私たちに集中する。

「神谷由香里さん、僕の彼女になってください」。亮の声は大きく、真摯に響き渡り、その瞳は純粋な愛情で輝いていた。

周りの学生たちが歓声を上げて拍手を送り始め、誰かが口笛を鳴らした。これこそ、私が経験したことのなかった、若さに満ちたキャンパスライフ――開放的で、明るくて、何の秘密もない。影のない愛の告白だった。

目の前の勇敢な男の子を見つめ、私は初めて「大切にされる」ということがどういうことなのかを感じていた...

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