第16章

野口雅子は隅に座り、夜の海を眺めながら洗練されたお菓子を食べ、気分がだいぶ良くなっていた。海風が吹いてきたので、彼女は急いで窓を閉めた。さっきヘアサロンを出るのに急いでいて、ショールを持ってくるのを忘れてしまった。今、客室に暖房がなかったら、きっと凍えていただろう。

退屈に長い時間待ったが、パーティーはまだ正式に始まっていなかった。幸い、これらの美食で彼女は十分に楽しんでいた。

飲み物を取りに行った時、周りの人が大塚家が何かの貴賓を待っているという話をぼんやりと耳にした。貴賓が到着次第、パーティーが始まり、クルーズ船も沖へ出るらしい。

数分も経たないうちに、客室の入口で騒ぎが起こった。...