第22章

しかし、この堀川純平に対しては、堀川純平だからこそどうしようもなかったのだ!

数分後、堀川純平が席を立った。「田中社長、この契約は結ばない」

田中社長はすぐに慌てた。「堀川社長、先ほどまではうまくいっていたのに……」

堀川純平は冷笑した。「俺を騙そうとしたのか?田中久雄、俺がそんなに簡単に騙せると思ったのか?」

田中久雄は顔色が青ざめた。契約書に隠していた罠が堀川純平に見破られたのか?

「そんなことはありません、堀川社長……」

田中久雄は個室から会所の入口まで堀川純平についていき、必死に協力関係を取り戻そうとしていた。一方、堀川純平は駐車場へ向かうはずだった足取りを、そのまま直進...

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