第31章

野口雅子は、係員の躊躇する顔つきを見て、怒りを覚えた。

「会計してって言ったでしょ、聞こえなかった?」彼女だって分かっている、係員が躊躇したのは村上花子が助っ人を呼んできたからだということを。

「お客様、少々お待ちいただけませんか!彼女が...上野ショッピングセンターの副専務を呼んだようで」レジ係は困ったように二人を見た。

ふん?副専務を呼んだって?彼女は上野ショッピングセンターの女将なのに、誰を恐れることがあるというの?

野口雅子は村上花子の前に歩み寄り、冷ややかに口を開いた。

「最近また教務課に何度か足を運んだの?何回行こうが、十回だろうが、私の悪口を言いに行ってる...

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