第40章

 「さっきまでちゃんと話してたじゃない?」

 彼女は中村明美、または鈴木知也、最後には小林千佳に電話をかけてみた。

 「みんな何なの、全員電源切ってるの???」

 野口雅子は怒りたかったが、顔を上げると一列に並んだ墓石が目に入り、驚いて思わず「南無阿弥陀仏」と唱えた。

 その時、野口雅子が電話をかけた友人たちは全員、あるレストランに招かれていた。黒服の男たちに携帯電話を没収され、個室に閉じ込められていたのだ。

 幸い、テーブルには美味しい料理が並んでいた。彼女たちは野口雅子の今の状況など想像もせず、美味しそうに食事を楽しんでいた……

 墓地で十数分過ごしても、車を呼ぶこともできず...

ログインして続きを読む