第10章 どうして今のようになったの?

神谷承吾は、胸を一突きされたような気がした。

神谷彩夏の、蒼白な顔。冷笑と嘲りを貼り付けたその表情を見つめたまま、グラスを握る指にじわりと力が入る。

二年ぶりに会った彼女は、また大きく変わっていた。――変わりすぎて、もうほとんど別人に見えるほどに。

以前の彩夏は、決してこんな目をしなかった。額を走るあの傷痕と相まって、やけに痛々しく、そして目に刺さった。

何か言おうとした。だが口を開くより早く、菅野詩音が先に声をかぶせる。

「彩夏さん、そんな言い方、ひどいですよ」

詩音の笑みは穏やかで、毒の気配など一片もない。

「承吾だって善意なんです。今日、出てこられたって聞いて……わざわざ...

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