第108章 実家寄生のエリート

エレベーターで最上階の社長室へ直行し、清水智慧はそのまま手を上げて扉を押し開けた。

中では清水誠人がデスクの向こうで電話をしていて、口元には余裕の笑みが浮かんでいる。

入口に立つ清水智慧を見た瞬間、その笑みがぴたりと固まった。

清水誠人は慌てて通話を切る。

「来週って聞いてたのに! なんで事前に言ってくれないんだよ、空港まで迎えに――」

「先に言ったら、あなたが何をしてるか、分からないでしょう」

清水智慧の声は淡々としていて、怒気も喜色も感じさせない。なのに、その一言だけで清水誠人の額に汗がにじんだ。

そこでようやく、清水誠人は須藤彩夏の存在に気づく。

「……こちらは?」

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