第11章 妹のことはもう構わないのか?

想像していたような、目を覆いたくなる光景ではなかった。

肥満体の鈴木が、豪奢な絨毯の上にぐったりと倒れている。頭から血を流し、かすかな呻き声を漏らしていたのは、間違いなく彼だ。

一方、神谷彩夏はベッド脇に立ち、ドアに背を向けている。傍らには、砕けて血のついた陶器の花瓶。

彩夏の手も血で真っ赤だった。花瓶の欠片で切ったのか、それとも鈴木の血を浴びたのか――判別がつかない。

蹴破るような破壊音を聞いて、彼女はゆっくり振り返った。

神谷承吾だと分かると、彩夏の口元に薄い嘲りが浮かぶ。

「また何しに来たの。今度は自分で私の相手でもするつもり? それとも……」

足元で気を失っている鈴木を...

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