第111章 駆け引きは通用しない

気づけば、二人はあっという間に二時間近くも話し込んでいた。窓の外の空は、いつの間にか夕暮れ色に染まりはじめている。

清水智慧は腕時計に目を落とし、ふっと笑った。

「あなたと話してると本当に気が合うわね。つい長居しちゃった。例のジュエリーの件だけど、私の好きなテイストをまとめてあとで送るわ。改めて時間を取って、細かく詰めましょう」

「はい」

須藤彩夏はうなずき、身の回りのものを整えながら、証拠を入れた書類袋を清水智慧の前へそっと押し出した。

「こちら、必ず大切に保管してください」

「安心して。タダでもらうつもりはないわ」

清水智慧は書類袋を受け取り、目を細める。

「デザインの仕...

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