第144章 自救

須藤清美は、椅子ごとぐらりと揺れた。

「何するのよ! 菅野詩音! あんた、頭おかしいんじゃないの! 用があるなら私に来なさいよ! お姉ちゃんに手ぇ出すな!」

清美は顔を振り向け、菅野詩音を睨みつけた。

「私に来い? 来てるじゃない。今まさに、あんたに」

菅野詩音は鼻で笑い、指を伸ばして清美の顎を乱暴に掴む。ぎり、と骨が軋むほどの力。

「悪いのは全部、須藤彩夏よ」

吐き捨てるように言い、さらに力を込めた。

「せっかくの平穏を自分でぶち壊して、売女みたいに毎日毎日、承吾にまとわりついて。誘惑して、たぶらかして、骨抜きにしてさ」

清美の喉がひゅっと鳴る。痛みで視界が滲む。

「妹の...

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