第147章 父親

菅野雅子は、目の前の母がまるで別人に見えた。

菅野美雪は少し考え込む。さっきの言い訳は筋が悪いと思ったのか、慌てて言葉を継いだ。

「それに、あの子だって二十そこそこよ。そろそろいい縁を探す年頃でしょう? こんな時に外へ出したら、海外で変なこと覚えてきたらどうするの」

「そばに見てる人がいなかったら、また何かやらかしても、こっちは知りようがないじゃない。ダメ、絶対ダメ!」

次から次へと、みっともない言い訳が菅野美雪の口から転がり出る。どれもこれも菅野詩音を庇う言葉ばかりで、彼女がしでかした取り返しのつかない大罪には一言も触れない。まして、その後始末のために人生ごと擦り減らしてきた菅野雅...

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