第15章 恐怖で気が狂う

昨日みたいな扱いを、彼女がもう一度耐えられるはずがない。

でも、来たのはあの二人の用心棒じゃないみたいだ。……誰?

かすかに聞こえたのは、罵声。それに、いくつかの――言葉だけは優しく取り繕った宥め声。次の瞬間、その声の主に抱き上げられた。

腕の中は少し冷たい。火照った身体には、ちょうどいい。

……誰なの。

必死にまぶたを持ち上げる。けれど視界はとうに滲みきっていて、顔なんて見えるはずもない。ただ、その抱擁だけがやけに心地よくて――ずっと昔に亡くなった母のぬくもりを思い出してしまった。

「……お母さん……お母さん……」

掠れた声で呼ぶ。

「迎えに、来てくれたの……?」

……

...

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