第17章 朦朧とした中で逃げる

鳴瀬正樹は、ふっと息を吐いた。

「実はね、やらなくてもいい手術ってのもあるんですよ。そう思いませんか、菅野さん」

菅野詩音は指先がぴくりと震え、全身がぎこちなく強張った。落ち着かない様子で、唇だけを動かす。

「もし手術しなくていいなら、私――」

言い終える前に、神谷承吾が遮った。

「手術は必ずやる」

そう言い切ってから、彼も小さくため息を落とす。

「これは彩夏が彼女に返すべきものだ。しかも、ここまで適合するなんて……むしろ出来すぎてる。たぶん、神様の思し召しだろう」

「お前も言ってただろ。こんなレベルの一致、見たことがないって」

鳴瀬正樹は眉を上げる。

「俺がそんなこと言...

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