第18章 一歩も引かない

一夜の救命措置。

神谷彩夏が意識を取り戻したのは、翌日の午後だった。

目の前には風にあおられてふわりと持ち上がる白いカーテン。日差しがその隙間から、見えたり隠れたりしている。

眩しさに反射的に目を細めた、その次の瞬間――窓が閉められた。ぱたん、と。カーテンが落ち着き、陽光はすっかり遮られる。

そこでようやく、部屋にもう一人いることに気づく。

昏倒する直前の記憶が、雪崩のように押し寄せた。胸がひやりとして、起き上がろうとする。だが身体が言うことをきかない。とくに肋の下と喉が痛み、思わず「……っ」と息を詰めた。

「目、覚めたか」

聞き慣れた声がすぐそばで落ちた。

神谷彩夏が顔を向...

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