第34章 あなたの身近な人

神谷承吾は怒鳴り散らしても気が済まず、机の上に残っていた水晶の灰皿を掴むと、壁へ向かって叩きつけた。

ガシャァンッ、と乾いた破砕音。

小嶋健は喉を鳴らして唾を飲み込む。

「……話し合いましたよね。おそらく社長の競合がやったことです。ただ、どこまで特定できるかが……」

言い淀みながら続ける。

「動画の拡散元を追いましたが、発信源がかなり巧妙で。多段の踏み台と暗号化を噛ませてあって……正直、こちらでは――」

「ただ、現時点でいちばん怪しいのは『恒栄テクノロジー』の藤本吉彦です。最近、いくつかの重要案件でうちに押さえ込まれていて……追い詰められて、やけを起こす可能性が高いかと」

「藤...

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