第38章 彼女を辱めるのだ

終わると、神谷承吾は上着を無造作に神谷彩夏の身体へ投げ、ゆっくりとベルトと襟元を整えた。

快感など大してない。胸の奥を、名づけようのない感情がじわじわと齧っていく。

ソファに崩れ落ちたままの神谷彩夏を冷ややかに見下ろす。嘲りと憎しみが、瞳の奥で交互に瞬いた。

この女は最初、卑しい手口で彼のベッドに潜り込んできたくせに、今は木偶みたいに固まっている。彼が触れた場所が、触れたそばから強張っていく。

どう裏切ったのか。ほかの男の下で、媚びるように艶めいていた姿――それを思い出すたび、神谷承吾の臓腑に火がつく。

嫌だって?

なら、なおさらだ。

「神谷彩夏。よく聞け。そこまで下卑てるなら...

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