第50章 死別

神谷彩夏が目を覚まして最初にしたことは、自分の命を絶つことだった。

幸い、医師も看護師も彼女から目を離さなかった。だから未遂で終わった。

けれど彩夏の「死にたい」という意思は異常なほど固い。ありとあらゆる手段で、それを成し遂げようとしている――そんな気配が、肌に刺さるほどだった。

神谷承吾も、こうなるだろうとは思っていた。

しかし実際に目の前で起きた瞬間、彼はかつてないほど取り乱した。

ベッドの上で、傷だらけの神谷彩夏を見つめる。

胸の奥に積もり積もった痛みは、もう言葉の形にすらならない。

雅子はもういない。

そして今度は、彩夏まで自分の手から離れていくのか。

その理解が、...

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