第84章 よし、優勝だ

オフィスを出た途端、菅野雅子は頭のてっぺんから爪先まで、すうっと血の気が引いていくのを感じた。

自分があちこちで特別扱いされてきたことくらい、前から分かっていた。

それは全部、神谷承吾がいたからだ。

けれど――まさか、その神谷承吾を失っただけで、ここまで何もかもが立ちゆかなくなるなんて。

菅野雅子はそっと目を閉じた。

胸の奥が、じりじりと焼けるように熱い。

元に戻りたい。

神谷承吾のことが好きだから――それだけじゃない。

ここまで露骨に違う扱いを受ける現実を、どうしても受け入れきれなかった。

ただ、今いちばん大事なのはそこではない。

何としてでも、今回のコンテストの出場枠...

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