第85章 堕天使

菅野雅子は深く息を吸い込んだ。

神谷承吾に電話がつながるなら、受付なんかと押し問答する必要はない。

きゅっと目を閉じ、彼女は神谷グループを後にした。

背中に突き刺さる視線が、まるで実体を持っているみたいで、ひりひりと痛い。

家に着くなり、菅野詩音がすぐに駆け寄ってきた。

「お姉ちゃん、聞いたよ。須藤彩夏がオーロラ・スターに出るんだって? 大学の推薦枠って、もともと全部お姉ちゃんのものじゃなかったの?」

その一言で、菅野雅子の頭の中がどんと爆ぜた。

「今、なんて言ったの? 須藤彩夏がオーロラ・スターに出るですって!?」

「そうだよ」菅野詩音は眉をひそめ、姉を見た。「前の学内コン...

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