第10章 法廷で会おう

 

あのトレンドは、ふっと現れて、ふっと消えた。

江口初姫にとって、実害らしい実害はない。

ただ、胸に残った感覚がひとつだけある。

周防宴久の火消しの速さを見れば分かる――彼はたぶん、自分を避けている。避けたくて仕方がないほどに。

もしかしたら、誤解もしているのかもしれない。

だからこそ、写真も、関連する言葉も、ネット上からきれいさっぱり消えた。最初から存在しなかったかのように。

そう思うと、胸の奥がじわりと苦くなる。

いったい、いつになったら周防家と繋がれるのだろう。

前世では、彼女は何もしていないのに、周防宴久とは水のように薄い、会えば会釈を交わす程度の関係があった。

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